6回目

6回目
自己判断で服薬の減量や中止をしないようにしましょう。
この時期になると、かなり落ち着いてくるものです。
したがって、一部の人は、自分で薬をこっそりやめていたりします。
薬をやめられれば完治が近いと考えるようです。


しかしそんなことはありません。
せっかく順調に回復していた脳内物質の流れが、また滞ってしまいます。
薬の効き始めに二週間くらいかかったことでも分かるように、薬を中止した影響が出てくるのも、中止してからしばらくたってからになります。

そのときに反省してまた薬を飲み始めたとして、それだけ治療が遅れてしまいます。
完全に治って会社に復帰して、業務も通常通りにこなせるところまでしっかり薬を飲んで、その後に、減量していくようにしましょう。

脳が自分の力で十分なセロトニンを作ることができるようになるまでには少なくとも半年はかかるといわれています。
薬を飲み続けることによるマイナスは何もありませんから、焦らずに治療を続けていきましょう。


SSRIを急激に中止すると、めまい、嗜眠、ぴりぴり感覚、嘔気、鮮明な夢、焦燥感、気分の落ち込みなどの中止後発現症状が出現することがあります。


中止後発現症状のほとんどは一時的で軽度ですが、まれに重篤になることがあります。
自己判断による薬剤の急激な減量・中止は危険なので、決して行わないようにしましょう。
症状が改善してきたときや、逆に効果が実感できないときに、自己判断による服薬中止は起こりやすいものです。症状が改善してきた場合、せっかく有効なお薬が見つかったのですから、少なくとも半年程度、できれば年単位の治療継続が必要であることをご理解いただきたいと思います。

もしそれが不安で不快で、意に沿わないなら、話し合いましょう。
どこかに誤解や思い込みがあるかもしれません、また、我々治療者の側に、患者さんの人生についての理解の不足があるかもしれません。
よく話し合えば、一致点が見つかると思います。